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Webマーケティングにおける「目標設定」と「管理方法」は?目標設定の流れと注意すべきポイント

デジタルの活用が当たり前となっている昨今、事業にWebマーケティングをどう活用していくか、またどのように目標設定をしてそれを管理していけば良いのか、頭を悩ませている方も少なくないのではないでしょうか?

これまで事業会社側と支援会社側の両方の立場でWebマーケティングを活用して事業成長に関わってきた筆者の立場から、Webマーケティングを実践する上で非常に重要な目標設定と管理について、大事にしたいポイントや筆者の意見を紹介します。

目次

Webマーケティングは一つの手段に過ぎない

前提として強調したいのは、「Webマーケティングは一つの手段に過ぎない」ということです。

筆者自身はWeb広告代理店でキャリアをスタートし、Web広告ばかりを取り扱っていた時期がありました。正直なところ、Webマーケティングに対して、魔法の杖のようにさまざまな会社や事業に恵みをもたらす万能性を感じていたこともありました。

しかし、さまざまなクライアントとこれまでWebマーケティングを実践する中で、残念ながらWebマーケティングを用いてもまったくうまく事業を成長させられなかったり、逆にWebマーケティング以外の手法の方がうまくいったりするケースを少なからず見てきました。

だからこそ、Webマーケティングはあくまでもデジタルを活用して事業やサービスの価値を届け、売上をあげるための一つの手段に過ぎないと考えています。

目標設定の重要性

一つの手段に過ぎないといっても、Webマーケティングは組み合わせや活用の仕方によっては非常に有効な手段であることは間違いありません。

有効な手段として活用するために、一番大事なことは目標設定です。会社や事業、サービスとしてどこを目指すのか、いつまでに目指すのか、それによって手段とその組み合わせは大きく異なります。手段が目的化しないためにも、先に具体的な目標を決めておくと良いでしょう。

もちろん、初めて取り組むからそもそも目標設定が難しかったり、何を設定したら良いのかわからなかったりすることもあるかもしれません。仮で良いので、「SMART原則」(次の段落で詳細に説明します)に従って決めてみることをおすすめします。また、一度決めた目標は自由に変更しても問題ありません。Webマーケティングを実践していく中で、日々調整しながら、その精度を上げていくくらいの気持ちで良いです。

目標設定の流れ

目標設定までの具体的な流れは次のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。

ビジョンとミッションを整理する

まずは、前提情報整理として、会社や事業、サービスとしてのビジョンとミッションを整理します。

会社や事業、サービスにとってのビジョン(究極的な目標や理念)は何なのかを理解した上で、どのようにそのビジョンを実現するかミッションを明確にします。これらを言語化できていると、人に説明しやすくなることで協力者やファンを増やしたり、思い悩んだときに立ち戻ったりすることができます。

いざ「ビジョンやミッションを決めましょう」といわれるとつい身構えてしまう人もいると思います。しかし、何かあったときに立ち戻ることばですので、手触り感のあることばになっているかはしっかり見極めると良いでしょう。

現状を把握する

また、目標を決めるための参考情報として現状を把握することは非常に重要です。対象となる事業やサービスの現状はもちろん、市場状況、競合他社、対象ターゲットについても分析を行いましょう。

SMART原則に基づき目標を設定する

こうした情報を整理した上で、SMART原則に基づく目標設定をしていきます。

SMARTとは、英語の「Specific」「Measurable」「Achievable」「Relevant」「Time-bound」の頭文字からきています。これらに注意しながら目標設定を行うことで、中長期の運用や管理に耐えうるという一つのフォーマットです。以下にてそれぞれの詳細を解説します。

Specific(具体的である):明確で具体的な目標を設定する

曖昧さを排除し、具体的で明確な目標を設定することで、何を達成すべきかが明確になり、目標に向かって取り組むべきアクションが具体化されます。

Measurable(測定可能である):数値や指標で測定できる目標を設定する

進捗を具体的な数値や指標で測定できることで、目標達成に向けた進行状況を定期的に追跡し、必要に応じて戦略を調整することが可能になります。

Achievable(達成可能である):現実的で達成可能な目標を設定する

モチベーションを維持し、現実的な計画を立てることを可能にします。一方で、非現実的な目標は逆にチームの士気を低下させる可能性があります。

Relevant(関連性がある): ビジネスのビジョンやミッションに関連する目標を設定する

個々の目標が全体のビジネス戦略やビジョンと整合性を保つことで、すべての努力や行動が組織全体の目標達成につながっていきます。

Time-bound(時間に基づいている):明確な期限を持つ目標を設定する。

適切な期間内に目標を達成するための計画が立てられ、時間管理が強化されます。また、時系列でどう変化していくのかというのも重要です。たとえば、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後という具合に時系列ごとの目標設定することで段階的な達成イメージも湧きやすくなります。

Webマーケティングの目標設定で気をつけたいこと

ここまで目標設定の重要性や流れについて解説しましたが、事業におけるWebマーケティングの影響範囲、そして計測可能な指標と目標指標との距離についてはしっかり把握しておく必要があります。

たとえば、ECサイトを運営している状況を想定します(すべての販売が自社ECサイト経由とする)。「年間3億円の売上をあげること」を目標として設定した場合、自社ECサイトでの売上が目標指標であるため、目標管理は比較的シンプルです。

一方で、飲食店を運営している状況を想定します。同じく「年間3億円の売上をあげること」を目標として設定した場合、実施したWebマーケティング経由の来店ももちろんありますが、雑誌やテレビなどのメディア露出やご近所さんへのポスティング施策など、前者と比べてより複合的な要素が絡むことになり、目標管理もより複雑になります。

全体目標に対してWebマーケティングの影響範囲はどこまでに及ぶのかは、事業形態やビジネスモデルによってさまざまです。しっかりとこうした影響範囲と、計測できる指標を明確にした上でSMART目標を設定しないと、せっかく設定した目標が上手く機能しない可能性が高まります。そうした事態に陥らないためにも、事前にこうした影響範囲と計測指標は明確にしておきましょう。

目標の活用と管理の目安

当然のことながら、目標は掲げただけでは意味がないため、設定した目標を達成していくためにKPI(重要業績評価指標)の設定、戦略の策定および具体的なアクションプランを作成し実行します。定期的に成果をレビューして目標に対する達成度合いなどを踏まえて、戦略や具体的なアクションプランのチューニングも行います。

どのような目標を立てるかによって管理の目安は異なりますが、年間目標を立てている場合は、

  • 具体的なアクションプラン:日次〜週次
  • 戦略とKPI:週次〜月次
  • 目標:月次〜四半期〜年次

でそれぞれ振り返りと評価、そして見直しをかけるのが良いと考えています。日々の具体的な行動の積み重ねが結果として大きな目標につながっていくため、細かい行動を日次〜週次ベースで管理しつつ、より粒度が大きいものは長いスパンで管理していくイメージです。

まとめ

Webマーケティングにおける目標設定と管理について解説しました。

改めて、筆者は「Webマーケティングは一つの手段に過ぎない」と考えています。事業にとってのWebマーケティングの影響範囲と計測可能な指標を明確にした上で、適切に目標設定と管理をすることで、事業の維持・拡大に最大限Webマーケティングを活用する一助となれば幸いです。

私たち株式会社Geneは、デジタルベンダーマネジメントという領域に強みを持ち、総合的な観点から事業会社のより良いベンダー選択や事業推進の一助となれるよう、これまでも数多くの事業現場で尽力してきました。Webマーケティングにおける目標設定と管理にお困りの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

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