一口に「Web広告代理店」といっても、本当にさまざま特色や強みを持つ会社が存在します。そのため、Web広告代理店の選び方の記事もぜひ参考にしながら、まずは自社で運営している事業やサービス、運営チームにとって、どんなWeb広告代理店と相性が良さそうか検討してみてください。
その上で、いざ会社×会社、担当者×担当者、での具体的な取り組みが始まっていくと、共通の目標を目指しながら円滑にコミュニケーションをとり、効果的な集客施策を実行していけるかが、事業の成果に直結する重要なポイントだと考えています。
この記事では、事業会社側と代理店側の両方の立場でWeb広告を活用して事業成長に関わってきた筆者の視点から、Web広告代理店とのコミュニケーションというテーマで大切にしたいことについてご紹介します。あくまでも実践を通じて落とし込んだ一つの考え方ですので、それぞれの状況に応じて最適なコミュニケーションラインや関係性を構築するための一助となれば幸いです。
役割を明確にする
まず重要なのは、それぞれの役割を明確にすることです。可能であれば、体制図や役務範囲、業務内容などは図やテキストで認識合わせした上で、しっかり合意しておくと良いでしょう。
事業会社側、支援会社側のリソースや得意分野は状況によって異なり、時間経過と共に変わり続けていく部分なので、一度すり合わせるだけではなく、定期的な見直し(3ヶ月〜1年に1回程度)も必要です。この際、メンバー体制とそれぞれの特徴なども相互理解できているとよりスムーズなコミュニケーションにつながります。
なお、Web広告代理店に依頼する業務として、具体的には次のようなものが一例として挙げられます。
- 予算計画
- 広告媒体の選定とプランニング
- 配信シミュレーション
- クリエイティブ作成
- ターゲティング選定
- アカウント、キャンペーン構築
- 入稿
- 運用
- データ分析
- データ計測
- データ集計
- 予実管理 など
そうして役割から実際の業務の分担までを明確にした上で契約締結をすると思いますが、両者が契約の条項をしっかり把握したうえで責任と義務を明確にしましょう。
また、Web広告の性質上、全世界のさまざまな面に対して情報発信することが可能であるため、レギュレーションやNG要件を明確にしてWeb広告代理店に伝えてください。国や地域による法的な規制はもちろん、業界のガイドラインに従うことが重要です。
常にアップデートがあるためキャッチアップが大変ですが、Web広告代理店にはどうしても広告配信額を増やしたい力学がかかりやすい(特に広告費に対する手数料モデルの場合)ため、これまでみてきた肌感としては、事業会社側でカバーしてブレーキ役を担う形が理に適っていると思います。
定期的にコミュニケーションをとる
次に気をつけたいのは、定期的なコミュニケーションの場の設定です。意図してコミュニケーションしやすい状況を一緒に築き上げていくという観点がとても重要です。コミュニケーションツールの選定や定例会実施、必要に応じたレポート報告の頻度などがこの内容に当たります。
コミュニケーションツール
コミュニケーションツールに関しては、メールやSlack、チャットワーク、teams、メッセンジャーなど色んなツールが存在していますが、何を使うとお互いにハードルが下がるのかという視点で選定すると良いでしょう。
定例会・レポート報告の実施
定例会は、週次なのか月次なのか、取り組み内容や状況によって異なると思いますが、リズムを意識すると良いでしょう。定期的なミーティングやレポートを通じて、Web広告代理店とのコミュニケーションの土台を築いていきます。
最初のうちはお互いの理解や信頼感を高めるという意味でも頻度高く、厚めにコミュニケーションをとりながら徐々に調整していくくらいのアプローチがおすすめです。
具体的なKPIの設定する
Web広告代理店とは、同じ目的に向かって進むための目線合わせができているでしょうか?具体的なKPIとそこに対する期待を設定し、Web広告代理店のパフォーマンスを定期的に評価します。
Webマーケティングは、数値が可視化しやすいことが特徴の一つです。戦略の共有はもちろん、しっかりと具体的な戦術やそこに伴う施策の効果を測定し、必要に応じて調整しましょう。また、共通認識を持つためにことばの定義を厳密に擦り合わせることも重要です。
リスク管理と緊急時の問題解決フローを設定する
前の章でも触れたように、Web広告は情報発信の仕組みとして非常に幅広い面にまたがるため、リスクも高くなります。事前にWeb広告代理店との取引におけるリスクを理解しておくべきです。
また、発生しうる問題についても事前に整理しておき、アラートラインや緊急時の対応フローを整備することで、万が一の場合でも迅速かつ効果的に対応しましょう。当然のことながらすべてを事前に洗い出すことは難しいため、例外的な対応が求められることも多いでしょう。ここでも日々のコミュニケーションが積み上げられているか、仕組みとして強化しておく観点が大切です。
長期的なパートナーシップを共創する
状況によっては、短期的な成果を追求していく必要があることもあるでしょう。しかし、短期的な成果だけを追うのではなく、長期的な関係性(パートナーシップ)を築くことを目指しましょう。これにより、より深いレベルの協力や連携、共存共栄に期待ができます。
当たり前のことですが、Web広告代理店は会社として存在し、そこに所属する担当者が支援にあたります。そんな中で、ただの外注として「使う」扱いを受けるのか、長期的なパートナーとして向き合ってくれるのか、どちらがより良いパフォーマンスを出してくれそうかは一目瞭然だと思います。そのために、相互に情報開示を行うこと、そして開示される情報に対して理解に努めることが重要です。
事業会社側は自分達が運営する事業や業界についての専門家であり、支援会社側であるWeb広告代理店はWeb広告の専門家です。一方的な要求ではなく、協力的なアプローチをとりましょう。会社と会社、プロとプロの取り組みとして、一定の緊張感を持って取り組み続けるということも欠かせない要素です。
まとめ
Web広告代理店とのコミュニケーションをテーマに、事業会社とWeb広告代理店の両方の立場でWeb広告を活用して事業成長に関わってきた筆者の視点から、大事にしたいポイントについて解説しました。あくまでも実践を通じて落とし込んだ一つの考え方ですので、それぞれの状況に応じて最適なコミュニケーションラインを構築するための一助となれば幸いです。
実践の場で、どうしたら持続可能な形で、最大限のパフォーマンスを続けられるのか日々のやり取りを見直し、模索し続けてください。そして、この考え方や理解が深まると、内部や外部に限らず、より良い関係性作りにつながっていくと考えています。
私たち株式会社Geneは、デジタルベンダーマネジメントという領域に強みをもち、総合的な観点から事業会社のよりよいベンダー選択や事業推進の一助となれるよう、これまでも数多くの事業現場で尽力してきました。Web広告代理店とのコミュニケーションにお困りの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。