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マーケティングツールの権限管理と情報セキュリティを担保するには?重要ポイントを解説

事業やサービスを運営する上でさまざまなマーケティングツールを利用していると、それらの管理が煩雑になったり、そもそもどう管理していって良いのかがわからなかったりして、お困りの方も少なくないのではないでしょうか?

そこで今回は、マーケティングツールを使う際は必ず活用するであろう、権限管理の機能を使いこなす上で大切にしたいポイントについて解説します。昨今、マーケティングツールの進化によって幅広く情報の取り扱いが可能となったことで、事業者側の情報セキュリティの重要性も叫ばれています。こうしたマーケティングツールの権限管理とも密接に関わる領域なので、併せて大事にしたいポイントに触れます。

目次

マーケティングツールの種類

一口に「マーケティングツール」といってもさまざまな種類があります。まずは、どういったものがあるか、ツールのカテゴリと具体的なツールの一例を紹介します。

カテゴリツールの例
アクセス解析GA4(Google Analytics4)、Clarity、Firebase Analyticsなど
SEM(検索エンジンマーケティング)分析SimilarWeb、Ahrefs、Google Search Consoleなど
広告運用Google広告、Yahoo!広告、Meta広告(Facebook、Instagram)など
SNS分析SINIS(サイニス)、SAKIYOMIなど
SNS運用comnico Marketing Suite、Beluga スタジオなど
顧客開拓FORCAS、uSonar(ユーソナー)
MA(マーケティングオートメーション)SHANON MARKETING PLATFORM、b→dash、HubSpotなど
SFA(営業支援)Salesforce Sales Cloud、Mazrica Salesなど
CRM(顧客管理)Zoho CRM、kintoneなど

あくまでもほんの一例ですが、非常に多くのカテゴリとツールが存在します。同様のカテゴリの中でも、専門領域に特化したり、領域を跨いで統合したり、さまざまな特徴を持ったマーケティングツールが今もなお新たに登場し続けています。

みなさんが自分の事業やサービスで活用しているツールを一通り洗い出し、それぞれのツールが、どのような領域で用いられ、どのような特徴を持っているのか、まずはしっかり把握しましょう。

ツールが扱っている情報(データ)と備えている機能

ツールの権限管理を行うには、ツールごとにどのような情報を扱うのか、機能を備えているのかを正しく把握している必要があります。

たとえば、アクセス解析ツールであるGA4(Google Analytics4)は、Webサイトのセッション数やページビュー数、実行されたイベント数などを把握することはもちろん、チャネル(流入口)や地域、デバイスなどの切り口(ディメンション)で詳細について分析することができます。

また、広告運用ツールであるGoogle広告では、ターゲットやクリエイティブの設定を行うことで、検索広告やディスプレイ広告、YouTube広告を出稿することができ、その成果である広告の表示回数やクリック数、コンバージョン数などを把握したり、細かく分析したりすることができます。

さらに、CRM(顧客管理)ツールであるkintone(キントーン)では、顧客情報の管理やそこに紐づく案件や関連するやり取りを記録することで、チーム内で素早くスムーズな情報共有を行うことができます。

当然のことですが、このようにツールによって「どういった情報を扱うのか」「何ができるのか」はまったく異なります。チーム内でツールを上手く活用していくためにも、ツール毎にこの2点を理解することが重要です。

ここで特に注意したいのは、情報漏洩のリスクがある「顧客の個人情報を扱うツール」と意図しない損失を生むリスクがある「広告配信ツール」です。

「顧客の個人情報を扱うツール」は、情報セキュリティの観点で非常に取り扱いの注意が必要であり、万が一情報漏洩が生じた場合に顧客に対しての説明責任やそれまでに積み上げた信頼の失墜、賠償責任などのケースが考えられます。

また、「広告配信ツール」では、誤設定・誤配信によって多額の無駄な広告費が投資され大きな損失につながる可能性があります。クレジットカードなど支払い情報を設定するツール全般に関しても(多くの場合、支払い情報表示は制限されることが多いですが)、不正利用などを回避するためにも細心の注意を払いましょう。

もちろん、アクセス解析ツールなども現状の事業やサービスの成果に関する情報(たとえば月間何万人が訪れている、とか年間どのくらいの売上があるなど)が漏洩してしまう可能性はあるため、十分に注意が必要です。

権限レベルごとにできることの範囲を把握する

多くのツールでは、「権限レベル」が設けられています。前述したツールごとに取り扱える情報やできることの範囲と掛け合わせることで、どういう役割を担ってもらうかによって、より詳細に扱える情報やできることを制限することができます。

ツールによって権限レベルの分け方はまちまちですが、大きく次の3つに分割されます。

  • 管理(オーナー)権限
  • 編集権限
  • 閲覧権限

あくまでも一般的なマーケティングツールにおける権限レベルごとにできることの範囲は次のようなイメージです。

なお、権限レベル、権限レベルごとにできることの範囲は、基本的にツールごとに細かく規定されているため、公式ヘルプなどを通して正確に把握しましょう。マーケティングツールは日々アップデートがなされるため、権限レベルの名称が変わったり、権限レベル毎にできることの範囲が変化したりすることもあるので、その点も留意しておいてください。

管理(オーナー)権限

管理(オーナー)権限では、その文字通り、ツールの管理者としてツールが保持している全ての情報閲覧や機能利用はもちろん、新規でユーザーを追加したり、大元となる重要情報(ツールのアカウント情報や支払い情報など)を更新したりできます。

編集権限

編集権限では、ツールの基本的な情報閲覧や機能利用はできますが、ユーザー管理や重要情報へのアクセスが制限されます。

閲覧権限

閲覧権限では、できることが一部の情報閲覧のみに絞られ、ツールでの編集操作などは基本的に制限されます。

誰に対してどの権限付与を行うのか明確にする

こうしたツール毎の特性やルールを把握してから、誰に対して「どのツール」に「どの権限レベル」で権限付与を行うかを決めていきます。事前に権限付与を行うことで、起こり得るリスクに関してもきちんと把握した上でこれらを決めていきましょう。

また、特に外部パートナー(ベンダー)に対して権限付与を行う場合は、いつまで権限を付与する必要があるか期限が決まっている場合もあるでしょう。そのため、期間設定とともに認識合わせをして適切にコントロールすると良いでしょう。

ツール毎の権限付与状況を一覧化して、定期的な点検や見直しを行う

さまざまな領域に跨っていくと、どのツールでどういった権限付与を行ったか、情報がバラバラになっていき管理が煩雑になりやすくなります。理想的には、すべてのツールを網羅的に洗い出し、Google スプレッドシートなどで「誰」に「どのツール」の「どの権限」を付与しているかを一覧で管理すること、そして定期的(3ヶ月〜1年周期)な点検や見直しを行うことです。

なかなかそこまで手が回らないという場合であっても、情報漏洩のリスクがある「顧客の個人情報を扱うツール」と、意図しない投資を行ってしまうリスクがある「広告配信ツール」の2つに関しては、定期的な点検と見直しを強く推奨します。

まとめ

マーケティングツールを使う際は必ず活用するであろう、権限管理の機能を使いこなす上で大事にしたいポイントについて解説しました。

私たち株式会社Geneは、デジタルベンダーマネジメントという領域に強みを持ち、総合的な観点から事業会社のよりよいベンダー選択や事業推進の一助となれるよう、これまでも数多くの事業現場で尽力してきました。外部パートナー(ベンダー)との協業でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。

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