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BtoBのWebマーケティングで意識したい3つの特徴とは?活用できる6つの集客方法を紹介

この記事では、BtoB領域でWebマーケティングやweb集客を活用するときに意識したいこと、そして具体的な集客方法について解説します。BtoB領域でマーケティングを任せられ、何から手を付けたら良いかわからない担当者の方に読んで頂きたい内容です。

目次

BtoBのWebマーケティングで意識したい3つの特徴

まずは、BtoCと比較した際に、BtoBにどのような特徴があるのかについて整理しておきましょう。

※そもそもことばの意味:

  • BtoC(Business to Consumer:ビジネス・トゥ・コンシューマー):企業が直接、最終消費者に対して商品やサービスを提供するビジネスモデル
  • BtoB(Business to Business:ビジネス・トゥ・ビジネス):企業が他の企業を対象として商品やサービスを提供するビジネスモデル

①意思決定プロセスが複雑になる

個人消費者向けの取引(BtoC)と比べて、企業間で行われる取引(BtoB)では、購入プロセスが複雑であり、複数のステークホルダーが購入までの意思決定に関与することが多いといえます。

現場担当者やマネージャー、事業責任者、取締役などさまざまな立場の人が購入の意思決定をするために関わります。また、当然ながら企業の組織体制や所属している人の性格によって意思決定の仕方はまったく異なります。

このような企業ごとの違いに対応するため、BtoB領域では営業担当者による個別の商談を通じた販売アプローチを取ることが多いです。いかに顧客に寄り添い、置かれている状況やニーズに対して柔軟に対応できるかが求められるためです。

さらに、多くの人を巻き込む意思決定となるが故に、説明責任が発生しやすいという性質があり、より合理性が重視されます。その提供価値を定量的な側面やターゲット層にピンポイントに伝わるよう、実績や数値を用いて具体的に訴求するマーケティング戦略が好まれる傾向が強いといえます。

たとえば、次のようなものが考えられます。

  • 継続性の打ち出し(創業〇〇年、リリースから〇〇周年など)
  • 特定期間での実績(年間実績〇〇件、月間〇〇円のコスト圧縮など)
  • 担当者やチームの専門性、独自性(有資格者在籍、特許取得など)
  • 有名企業への導入実績
  • 同じような悩みを持つ企業との取り組み事例コンテンツ など

これらはほんの一例ですが、自分たちが運営する事業やサービスにとっての既存顧客や顧客になりえる層に対してのヒアリングや競合調査(同じ領域ではなくとも上手くいっている事業やサービスを参考にする)を通じて、どのような意思決定プロセスを辿るのか解像度を高めつつ、その意思決定プロセスの中で自分達の事業やサービスの特徴が伝わる訴求やコンテンツ設計を考えてみましょう。

②長期的・高価格帯での取引になる

BtoBの取引はBtoCに比べて単価が高く、長期間にわたる契約が多いことも特徴の一つです。そのため、より長期的な関係構築やパートナーシップが重視されます。

また、長期的で高価格帯の取引になるということは、想定LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)が高くなりやすいため、提供する事業会社目線では、許容されるリスクと、成功したときのリターンの両方が大きいという特徴があります。

この点について、バックオフィスの業務ツールを提供しているA社(BtoB)とペットECを運営しているB社(BtoC)を例に出して解説します。それぞれの想定LTVを計算すると以下のようになります。

バックオフィスの業務ツールを提供しているA社(BtoB)

  • 購入単価:50,000円/月
  • 平均継続期間:30ヶ月
  • 想定LTV:1,500,000円

ペットECを運営しているB社(BtoC)

  • 購入単価:6,000円
  • 平均リピート購入回数:2.5回
  • 想定LTV:15,000

このように、A社とB社で想定LTVは100倍も違います。そのため、B社と比較してA社の方が、1購入を獲得するために許容されるリスク(投資)と、顧客に1購入してもらったときのリターンの両方が大きいことは明らかです。広告費や人件費などをより多く投資しやすいといえるでしょう。

ただし、併せて考えておきたいのは、A社とB社が対象とするターゲットの総数です。それぞれが対象とするターゲットの総数は、A社はバックオフィス業務にツール導入する企業数(最大360万社ほど)で、B社はペットを飼っている人の数(最大1,500万頭ほど)となります。ターゲットの総数の観点で考えると、B社が多いといえます。

単価と数の掛け合わせで市場規模はおおよそ把握できるため、自分たちの事業やサービスにおいて想定されるターゲットの総数も加味して、どういった市場感なのか整理してみると良いでしょう。

ここまでの具体例でお伝えしたいことは、事業のビジネスモデルや性質によって購入獲得のための許容リスクや成功時のリターンが大きく異なるということです。この実態をしっかりと認識し、中長期的にどういった投資とそれに見合ったリターンを目指していくのか考えていく必要があります。

なお、わかりやすいように、BtoBとBtoCを区分しましたが、BtoBでも低単価×短期間、BtoCでも高単価×長期間で取引を行うものも存在します。BtoBかBtoCかに関わらず事業やサービスの成長を目指す場合は、次の3つが非常に重要です。

  • 単価をどのように上げていくか
  • いかに長期間にわたり利用してもらうか
  • どれだけ対象ターゲットを広げられるか

③専門知識が必要とされる

BtoBの取引では、製品やサービス自体に関する詳細情報はもちろん、業界における最新のトレンドや技術に関する情報まで多くの専門知識が求められます。

通常、BtoBの顧客には複数のステークホルダーが関わる複雑な意思決定プロセスがあります。それぞれの意思決定者に適したメッセージを届けるには、業界の知識や特定のビジネスニーズへの深い理解が必要不可欠です。これらの専門性や実績がない場合は選んでもらうための土俵にすら立てないことがあるため、まずは専門性磨きや実績作りに注力するようにしましょう。

情報が流通しやすいBtoC領域の事業と比べて、情報が出回りにくい特定のニッチな市場や産業セグメントに焦点を当てている事業は、一度専門性を確立するとそこまで市場競争に巻き込まれにくいという特徴もあります。

また、長期的・高価格帯での取引になりやすいため、事前の競合調査、相見積もりが行われることが多く、競争の中で信頼を勝ち取るには、高い専門性を持った情報やサービス提供を元にした信頼関係の構築が必要となります。

自社やパートナー、顧問先に専門性を持った人がいることはもちろん重要ですが、Webマーケティングにおいても見込み顧客に対して専門性や実績を訴求できているか、しっかりと伝わる形で情報整理されているかも非常に重要です。

一方で、BtoB領域は専門性が高いが故に、対象とする人数は限定される傾向にあります。たとえば、特定の国産メーカーの自動車部品を探している人数(BtoB)と紫外線対策のために日焼け止めを探している人数(BtoC)とを比べると、特定の国産メーカーの自動車部品を探している人(BtoB)の方が明らかに少ないでしょう。

専門的であればあるほど対象となる人は限られるため、場合によってはWebマーケティングだとターゲットできる総数が小さすぎてアプローチできない(しにくい)ことも考えられます。そのため、事前に市場規模やターゲット層、有効なアプローチ方法については当たりをつけておきましょう。

BtoBのWebマーケティングで活用したい具体的な集客方法

ここまで、BtoBのWebマーケティングで意識したい3つの特徴について解説しました。これらを意識した上で、以下の集客手法を上手く活用していくことで、BtoBのWebマーケティングでも狙っているターゲット層にアプローチすることができ、見込み顧客との接点をもち、最終的な成約まで目指すことができます。

特にBtoBでは、置かれている状況や情報を収集する場所、必要とされる要素など、それぞれの特徴が大きく異なるため、適切に把握した上でどのようなWebマーケティングの方針にするか、具体的な集客方法を組み合わせるか検討してください。

#カテゴリ詳細特徴
1SEOGoogleやYahoo!、Bingなど、検索エンジンからユーザーの流入を狙う手法です。具体的には、検索エンジンに評価されやすいサイト設計を行ったり、Webサイト内に高品質なコンテンツを作成し、検索順位の上位表示を狙ったりすることです。特にBtoBでSEOから集まるユーザーはコンバージョン率が高い傾向があります。実際に検索行動を起こしているだけあって、今すぐ知りたい、解決したい欲求が高いためです。サイトに訪れた担当者に対して専門性と信頼感を押し出しつつ、価値ある情報やサービスを提供できれば、高い確率でコンバージョンにつなげることができるでしょう。
2Web広告Google広告Google検索で広告表示されるGoogle検索広告と、サイト閲覧データや興味関心などをもとにさまざまな広告枠で広告表示されるGoogleディスプレイ広告などがあります。BtoB領域でWeb広告を活用する上でも、特にコンバージョン獲得に期待できるのがGoogle検索広告です。BtoBの専門的な検索クエリはその検索ボリュームが限られていることが多いですが、Google検索は検索エンジンの中でも圧倒的なシェア率を誇るため、まずは試してみることをおすすめします。キーワードによっては競合があまり広告出稿していなかったり、クリック単価が抑えられる狙い目な領域もあったりするため、キーワードプランナーツールや実際の検索結果を確認して方針を決めた上で取り組みましょう。
3Yahoo広告Yahoo! JAPAN検索で広告表示されるYahoo!検索広告と、サイト閲覧データや興味関心などをもとにさまざまな広告枠で広告表示されるYahoo!ディスプレイ広告があります。Google検索広告と比較すると全体の検索ボリュームやシェア率は小さいですが、PCでの検索が多かったり、利用している方の年齢層が高めだったりする傾向があるため、業界業種によってはマッチする可能性があります。特にBtoBでは本格的な情報収集は業務用PCで行われたり、決済者は年齢層が高めだったりする傾向があるためです。さらに、Google広告と比べるとクリック単価も抑えられやすいので、検索広告を試す際はまず試すべき広告媒体といえるでしょう。
4Facebook広告他媒体との違いとして、Facebook広告ならではの業界や業種、役職といったユニークなターゲティングができることが特徴です。特にBtoBのWebマーケティングというのは対象者が非常に限られるため、こうしたピンポイントなターゲティングができるのは大きな強みです。ただし、GoogleやYahoo!で検索しているユーザーと比較すると、すぐに課題解決したいという状況ではないことが多いことが注意点です。そのため、コンバージョンのハードルを下げて(たとえば、「お申し込み」ではなく、「資料請求ダウンロード」や「セミナー参加」などに設定する)、リード獲得のために活用していくと良いでしょう。そうすることでコンバージョンデータも貯まりやすく、広告配信の最適化が進むだけでなく、コンバージョンした人にFacebook上での興味関心や行動が類似した人へのターゲティングなども行いやすくなります。Facebook広告特有のターゲティングの精度と合わせて、コンバージョンのハードルを軽くすることも意識して設定して検証していくと良いでしょう。
5Microsoft広告Bing検索で広告表示される検索広告と、サイト閲覧データや興味関心などをもとにさまざまな広告枠で広告表示されるディスプレイ広告があります。日本国内におけるPCの利用者数では、Bing検索がYahoo!検索を大きく上回っており、特に業務PC(Windows)での検索に使われることが多いことから、BtoBでのWebマーケティングを考える際は特に試してみたい広告媒体の一つといえます。Microsoft広告自体は2022年5月に日本国内でサービスを開始しており、比較的広告媒体としては比較的新しいものですが、Google広告とのアカウント連携機能なども充実しており、広告配信を開始するハードルが低くなるように設計されています。
6ホワイトペーパーホワイトペーパーとは、商品やサービス、それに関連した情報をまとめた資料のことを指します。BtoB商材は、特に理解してもらうための情報設計と提供が重要です。まずは無料で資料をダウンロードしてもらい、その際に電話番号やメールアドレスなど顧客情報を取得することで、見込み顧客と継続的にコミュニケーションを取れるようにするといった利用方法が一般的です。また、ホワイトペーパーはオウンドメディアやWeb広告のコンバージョンポイントとして設定すると相性が良いです。サイト訪問者は無料で良質な情報をもらえるため、コンバージョンする可能性が高まります。ホワイトペーパーの内容が良いほど、顧客からの信頼獲得につながりますし、顧客の社内稟議もスムーズとなりやすいため、成約に近づけることができます。ホワイトペーパーは単体で利用するものではなく、人の目に止まるための集客手法と掛け合わせて活用することで成果につながります。
7プレスリリースプレスリリースとは、企業が新しい製品、サービス、イベント、動向などの重要な情報をメディアや公衆(パブリック)に発表するための文書を意味します。Web上には玉石混合でさまざまな情報が出回っているため、企業として、公式に正確な情報を提供するという観点で重要な役割を果たします。特にBtoBでは複数の人が意思決定に関わるため、成功を追求するというよりも、どちらかというと失敗を恐れる傾向があります。そのため情報の正確性が求められますが、製品やサービスを提供している企業も併せて確認されるため、こういった情報発信は直接的に見込み顧客の獲得につながるだけではなく、企業としての実体や信頼感を醸成するという点でも作用します。
8メディア掲載業界特化型ポータルBtoBだと特に業界に特化したポータルサイトなどにターゲットとなりえる担当者や関連する情報が集まっているケースも少なくありません。こうしたポータルサイトへのメディア掲載(広告、コンテンツ提供など)を検討するのも非常に良い方法といえます。ただし、特定のポータルサイトが強く広告掲載のインパクトを考えると掲載費用が高く設定されている場合もあります。そのため、想定される閲覧数や成果と費用感などバランスが取れているか冷静に判断するようにしましょう。
9イベント・セミナーポータル積極的な情報提供が必要となるBtoB領域では、Webサイト上で購入までのすべてのプロセスを完結させるのは難しいことがほとんどです。そんなときにセミナーやウェビナー、イベントを定期的に開催しているポータルサイトやサービスを通じて情報提供することで、見込み顧客との接点作りにつなげることができます。自社でオウンドメディアやWeb広告を活用して集客した見込み顧客に対して自分等で企画したセミナーを実施するのも良いのですが、セミナーやイベント開催に特化したサービスと上手く協業できるとサービス自体が一定の集客力を持っているため、集客コストを減らせる可能性があります。
10自社リストの活用メルマガメルマガの形式で登録されたメールアドレスに対して、専門性のある内容を継続的に情報発信していくことも有効です。BtoBの商材は一般的に説明コストが高く、理解してもらうのに時間がかかることも多いため、まずは簡易的にメルマガ登録してもらって情報発信をしつつ、顧客のタイミングで問い合わせてもらったり、特定のキャンペーン施策を実施して、定期的な情報発信とは別のアプローチを取ったりするのも良いでしょう。

まとめ

BtoBのWebマーケティングで意識したい特徴と、具体的な集客方法について解説しました。

BtoB領域はそれぞれがユニークな特徴を持つからこそ、Webマーケティングでもさまざまなアプローチ方法が考えられます。自社が運営している事業やサービスの対象となる顧客の特徴を捉えた上でWebマーケティングを上手く活用してみてください。

私たち株式会社Geneは、デジタルベンダーマネジメントという領域に強みをもち、総合的な観点から事業会社のより良いベンダー選定や事業推進の一助となれるよう、これまで数多くの現場で尽力してきました。BtoBのWebマーケティングやWeb集客にお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

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